研究の方針 ・楽しくて役立つ研究をしよう ・積極的に新しい道具や手法を取り入れよう ・調査のときはOPNB(わかるひとはわかる) ・得られた研究成果は何らかの形で社会へ還元しよう
研究のキーワード 生物多様性情報学、景観生態学、保全科学、外来種、自然史
主な研究テーマ 1.自然史(Natural History)に基づいた生物多様性情報学 標本をはじめ、地域における生物を記録した自然史資料は、生物を対象とした自然科学の基本です。これら自然史資料を電子化し、利用性が高い形で再整備していくこと、そのための方法論を確立していくことが主な目的で、私の研究における根幹です。生物多様性情報に関する国際プロジェクトであるGBIF活動にも積極的に参加しています。 2.インベントリー情報の横断利用による新しい価値の発見 研究データをはじめ、統計、画像、報告書等、様々なデータを収集、整備、一元化(データベース化)し、それらを組み合わせることで特定分野に囚われない新しい価値を見出すことを目指しています。 この実現の鍵になるのが「オープンデータ」という考え方です。データを自由に利用、再利用、再配布できるようにすることで、自分のデータを他人が使って新しい発見をしたり、その逆も実現できる可能性があります。この実現に向け、データ収集と同時に公開も積極的に行っています。 3.数理・統計モデルによる生物生息地予測 減少しつつある生物種の絶滅を避けるためには、対象となる生物がどのような環境要求性を持つのかを明らかにする必要があります。例えば気温、標高、水分条件など、種ごとで好む条件が異なります。また、土地利用のような人間活動も生物の分布に大きく影響します。こういった条件を明らかにし、数学的にモデル化することで、実際に現地調査を行わなくても、対象となる生物の『生息ポテンシャルが高い場所』を予測することが可能になります。生態学研究の成果を保全の現場に適用するためには、限られたデータから、広域に適用できるような情報を得る必要があります。これを実現できるような基盤データの収集・整備と、適切なモデルを構築することを目指しています。4.外来生物の管理計画の提案 現在日本には、1500種を超える外来生物が定着していると言われています。これら外来生物の中には、人間生活によって有用な種、ならびに在来種の生息を脅かす恐れのある種も含まれています。生物資源として有効に利用しながら、在来の生態系を脅かすことがないよう外来生物を適切に管理していく方法を確立することが研究の目的です。最近では主に中〜広域的な計画の立案を主に取り組んでいます。 5.研究と実践の隔たり(Research-Implementation Gap)の解消 社会的な課題の解決を目指した応用研究ですが、その成果が実際に実務において利活用されるケースは多くありません。なぜ研究と実践が連動しないのか、それを妨げる要因は何なのかを実務者らとも協力しながら検討しています。
進化から保全まで、いろいろなことに興味を持っています。また、いろいろな方と一緒に仕事をしたいと考えています。コラボレーションのお誘いは大歓迎ですので、ぜひ声をかけてください。 |
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